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【第8回】健康寿命を延ばし、パフォーマンスを維持する。再生医療がもたらす「長寿戦略(Longevity)」の新しい形
これまでは、動脈硬化や脳梗塞の後遺症、目の難病など、特定の疾患に対する幹細胞治療のアプローチについてお話ししてまいりました。
今回は少し視点を広げ、近年世界の予防医療分野で大きな注目を集めている「Healthspan(健康寿命)」「Performance(パフォーマンス)」「Longevity(長寿戦略)」という3つのキーワードをテーマに、再生医療が私たちの健やかな未来にどのように貢献し得るのかを解説いたします。
■ Healthspan(健康寿命):ただ長生きするだけでなく、健やかに生きる
現代の医療において、単に寿命(Lifespan)を延ばすこと以上に重要視されているのが、病気や介護に依存せず自立して生活できる期間、すなわち「Healthspan(健康寿命)」を延ばすことです。
年齢を重ねると、体内の細胞を修復する働きを持つ幹細胞が減少し、自分では気づかないうちに微細な慢性炎症(インフラマエイジング)が蓄積していきます。
これが様々な疾患や心身の機能低下を引き起こす原因の一つと考えられています。再生医療は、この慢性炎症を和らげ、ダメージを受けた組織の修復を細胞レベルでサポートすることで、健康寿命の延伸に寄与する新たなアプローチとして期待されています。
■ Performance(パフォーマンス):身体と認知機能の維持・向上
年齢とともに「歩くのが遅くなった」「疲れやすくなった」「筋力が落ちた」といった身体的フレイル(虚弱)を感じることは珍しくありません。
これは、筋力や持久力といった身体の「Performance(パフォーマンス)」が低下しているサインです。
近年の臨床研究では、幹細胞を投与した高齢の患者様において、歩行テストや握力といった身体的パフォーマンスの指標が維持・改善されたという報告がなされています。
幹細胞が分泌する有効成分(成長因子など)が、筋肉や神経の細胞に働きかけ、組織の再生能力を後押しすることで、生活の質(QOL)や日常のパフォーマンスの維持をサポートする可能性が示唆されています。
■ Longevity(長寿戦略):精密な予防医療としての新しい形
最先端の医療分野では、「Longevity(長寿医療)」は単なるアンチエイジングではなく、最新のバイオマーカーや個人のリスク評価に基づいた「精密な予防医療(プレシジョン・メディシン)」へと進化しています。
動物を用いた基礎研究においては、若い幹細胞の投与が健康寿命と寿命そのものを延長させる可能性が報告されており、幹細胞は将来的な「長寿候補(Longevity candidates)」としても注目を集めています。
実際の医療現場では、細胞治療やその成分を活用したケアを食事や運動、睡眠といったライフスタイルの見直しと組み合わせて、計画的かつ継続的に取り入れる「包括的な長寿戦略」が、将来の疾患を防ぎレジリエンス(回復力)を高めるための新しいスタンダードになりつつあります。
■ 徹底した安全管理のもとで
当クリニックが提供する自己脂肪由来幹細胞を用いた治療は、患者様ご自身の細胞を使用するため、アレルギーや拒絶反応のリスクが極めて低く、高い安全性が確認されています。
すでに起きてしまった不調のケアはもちろんのこと、患者様が10年後、20年後も高いパフォーマンスを保ち、豊かな健康寿命(Healthspan)を全うするための「長寿戦略(Longevity)」の選択肢として、厳格な品質管理のもとで細胞治療を提供しております。
「最近、少し体力が落ちてきた」「いつまでも若々しく活動したい」とお考えの方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
•Dangerfield, J. A., & Metzner, C. (2026). Collecting Eggs, Not Killing Chickens: Why Stem Cell Secretome and Exosomes Are Redefining Regenerative Medicine for Healthspan Extension. Biomedicines, 14, 854.
•Garay, R. P. (2023). Recent clinical trials with stem cells to slow or reverse normal aging processes. Frontiers in Aging, 4, 1148926.
•Zhu, Y., et al. (2024). Safety and efficacy of umbilical cord tissue-derived mesenchymal stem cells in the treatment of patients with aging frailty: a phase I/II randomized, double-blind, placebo-controlled study. Stem Cell Research & Therapy, 15, 122.
•Lavasani, M., et al. (2012). Muscle-derived stem/progenitor cell dysfunction limits healthspan and lifespan in a murine progeria model. Nature Communications, 3, 608.
•Tompkins, B. A., et al. (2017). Allogeneic mesenchymal stem cells ameliorate aging frailty: a phase II randomized, double-blind, placebo-controlled clinical trial. J Gerontol A Biol Sci Med Sci, 72(11), 1513-1522.
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